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ハンニバル戦記(上中下)/塩野七生

 ホントに今更という感じがする『ローマ人の物語』。第1巻のハードカバーは札幌のロビンソン地下の旭屋で見た記憶があるから相当昔、15年以上前ということになる。もっともその時代、拙者はそんな豪華本をポコポコ買えるほどの財力はなかったけども~。
 ということで現在文庫第6巻『勝者の混迷(上)』まで読了。ていうかこの『勝者』は長い長い3度に渡るポエニ戦争を経てカルタゴに勝ったローマのことを指すわけですが、この第二次ポエニ戦争でのハンニバルVSスキピオの巻、『ハンニバル戦記(上)(中)(下)』は掛け値なく面白く、象軍団を率いてアルプスを越えてイタリア半島に侵入し延々と暴れ続けるハンニバルと、教条的なローマ軍団の闘い方を敵であるハンニバルの戦い方を分析して応用の上改善、ジリジリと追い詰めていくスキピオとの駆け引きは、何で今までこの本読んでなかったんだこのバカチンが! と石畳に頭を打ちつける勢いだ。この時代日本がただの『弥生時代』と分類され、邪馬台国のヤの字もねえという厳然たる事実にさらに愕然。こりゃ欧州には外交でかなうわけないよ! もっと勉強しないと!
 たかだか近現代戦争でちょっと負け続けだからってちっとも卑屈になることのないイタリア人の底深さを感じずにはいられないシリーズだ。でも歴史の授業の記憶にわずかに残る、残虐非道の専制政治を行った皇帝が統治する時代より数百年前に、はるかに現代民主主義に似た(<あくまで似てるだけ)政体が存在したのは不思議だなあ。
 一般受けする、しかも優れた歴史モノを書いているのに学者扱いされないのは、なんか司馬遼太郎と似てる。ということはこのシリーズの中身もどんだけ史実か疑問の余地あり、ということなのだろうか。だってホレ、司馬遼のせいで乃木大将ってひどい愚将に見えるでしょ。子孫はたまらんよ。

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